#464 · 2026.02.16 · サウジアラビア
【中東遠征記 Day 10】世界の果てで迎えた「FOMUS 5周年」。絶景と静寂、そして次なる章へ。
2026年2月14日
サウジアラビア・リヤド滞在10日目。
今日はPCも名刺も一旦ホテルに置き、リヤドが誇る大自然の懐へ飛び込みました。
案内してくださったのは、先日サウジアラビア大使館のレセプションで出会ったご夫婦と、そのご友人。
先日のマスマク城もそうですが、
大使館での「点」の出会いが、こうしてプライベートな時間を共有する深い「線」になっています。
向かった先は、リヤド観光のハイライトとも言われる絶景スポット、エッジ・オブ・ザ・ワールド(Edge of the World / Jebel Fihrayn)です。
道中もエンターテインメント
目的地までは、リヤド市内から車で約2時間半。
前半の2時間は舗装された高速道路を走りますが、そこから先が本番です。
道なき道、砂利と岩が転がる荒野をひたすら進みます。
普通の乗用車では間違いなくスタックする悪路ですが、今回は手配していただいた4WD(レンジローバーのような屈強な車)で突き進みました。
激しい揺れと共に砂煙を上げて走る体験は、移動というよりアトラクション。
日本ではまず味わえないスケールの「冒険」を経て、ようやくその場所は姿を現しました。

「トゥワイク断崖」が語る、地球の記憶
目の前に広がっていたのは、言葉を失うほどの断崖絶壁。
地平線の彼方まで続く荒野を見下ろすその光景は、まさに「世界の果て」という名にふさわしい絶景でした。

少しアカデミックな話をしましょう。
この場所は正式名称をジュベル・フィハライン(Jebel Fihrayn)」と言い、サウジアラビアを南北に約800kmも貫く巨大な「トゥワイク断崖(Tuwaiq Escarpment)」の一部です。
驚くべきは、ここが約1億5000万年前(ジュラ紀)には「海の底」だったという事実です。
かつてアラビア半島の一部は「テチス海」という巨大な海に覆われていました。長い年月をかけて堆積した石灰岩層が隆起し、風化と侵食を経て、この鋭利な断崖が形成されたのです。
足元の岩肌をよく見ると、サンゴや貝殻の化石が無数に埋まっています。私も一つ、綺麗な化石を見つけて拾いました。
今は灼熱の砂漠であるこの場所が、かつては豊かな海だった。
1億年という悠久の時の流れと、地球のダイナミズムを肌で感じる場所です。
観光市場の変化を観測する
職業柄、どうしても周りの観光客を観察してしまいます。
予想どおり、日本人がほぼいない。
その代わりに目立ったのが、中国人観光客の多さです。おそらく春節(旧正月)の休暇を利用して来ているのでしょう。
観光地としてのサウジアラビアは、まだ始まったばかりのブルーオーシャンです。
しかし、中国の旅行者はいち早くこのトレンドを察知し、中東エリアへ足を伸ばしている。
ビジネスにおいても同様でしょう。誰もが注目し始めてから動くのでは遅い。
「誰もいない」うちに旗を立てる重要性を、この荒野の客層分布が教えてくれました。

FOMUS 5周年。圏外の静寂の中で
夕暮れ時、太陽が地平線に沈んでいくサンセットを見届けました。
この場所は、僕のスマホは電波が入りませんでした。
強制的なデジタルデトックス状態です。
スマホの通知に追われることなく、ただ静かに日が落ちるのを眺める。それは、多忙を極めたこの数週間の中で、最も贅沢な「リトリート」の時間でした。





そして、この2月14日は私にとって特別な日でもあります。
私が運営するブランド「FOMUS」の設立5周年記念日です。
5年前、ホテルマンから独立し、カメラ片手に日本を回り始め、気づけば「枡」という日本の伝統工芸を背負って、世界中を飛び回り、今は、1億年前の地層の上に立っている。
人生とは分からないものです。
この記念すべき日に、新プロジェクトであるコミュニティ「FOMUS guild」もリリースの目処が立ちました。
開発に時間はかかりましたが、ログイン機能なども実装され、ベータテストに入れる段階まで来ています。
5年の節目を、中東の「世界の果て」で迎えられたことに、運命めいたものを感じます。

出会いが旅を「拡張」する
ツアーの後は、4人でアラビアンレストランへ行き、サウジ料理をご馳走になりました。
振り返れば、今回のサウジアラビア滞在は約1週間。
当初は「大使館のレセプションに出る」という一点突破の目的だけで来ましたが、そこでの出会いが連鎖し、現地のカフェオーナーと繋がり、こうして在住者の方々と絶景を旅し、食卓を囲んでいる。
もし一人で来て、誰とも交流せずにホテルと会場を往復するだけだったら、ここまで深くサウジを知ることはできなかったでしょう。
「人に会いに行く」という行動原則が、旅の質を、そして人生の質を劇的に高めてくれています。
次の5年も、予測不能な面白さを求めて、泥臭く動き続けます。
中東遠征、まだまだ終わりません。
それでは、また。

© FOMUS / MaSU|本記事の無断転載・複製・二次利用を禁じます(FOMUS GUILD会員限定コンテンツ)